この記事は2023/04/10に更新されました。
「理系大学生の卒業論文は、どの程度の完成度で卒業できるんだろう?」
「卒業文集の出来次第では留年することもあるんだろうか?」
この記事を読んでくれているということは、そんなことを考えている理系の大学生の方、きっと多いはず。
こんにちは、「理系男子大学院生のブログ」の運営者、ゆうです。
この記事では、先日無事に大学を卒業することのできた、「現大学院1年生」が、”大学での卒業論文のぶっちゃけ事情”を提供します。
私(機械系学部)の大学では、無事に卒業論文を提出し、無事卒業することができました。
しかし、卒業するにおいて最大の敵と考える人も多い卒業論文に悩む人も多いはず。
どの程度書けばいいのか、そして出来によって留年であったり卒業ができないということはあるのか、なんて悩んでいる人も多いかと思います。
そこで、今回は以下のテーマに沿ってぶっちゃけていきます!
- ぶっちゃけどのレベルの卒業論文なら卒業できるのか
- 卒業論文の出来によって留年することはあるのか
ぶっちゃけ卒論の不備で留年になることはあるのか
「ぶっちゃけ卒論の不備で留年になることはあるの?」という問いに対して、一言で結論を申しますと、「安心してください、ほとんどありません。」
卒業がかかっていると切羽詰まっていた皆さんは少し安心できたでしょうか。
ですが、一点だけ重要なところがありまして、この「ほとんど」というところなんです。。。
私のなかのほとんどは99%以上のことを指しますが、仮に100人の学生がいた場合、残念ながら1人は留年をしてしまうといったところです。
ただ、100人中1人を除けば、皆さんは確実に卒業することができるので、まずはなぜほとんどの人が無事に卒業論文を乗り越え、卒業にたどり着くことができるのか考えていきます。
私が考えるにこの2つに集約されるかと思います。
- 研究に着手するのが遅いから
- 研究の成果が重要ではないから
大学院試験について気になる方は、こちらの記事も一緒にどうぞ!
研究に着手するのが遅いから
学部生が卒論に関して留年しにくい理由、1点目は「研究に着手するのが遅いから」になります。
この記事に目を通していただいている皆さんのほとんどは大学生かと思われます。
そこで一点お聞きしますが、「皆さんが研究に着手したのは、何年生のいつ頃からでしたか?」

私の場合は、4年生の春以降からでしたので、研究を行った期間は1年も未満になります!
皆さんもおそらく、研究室やゼミに配属が決まり、実際に研究ができるのは1年未満の人が多いのではないでしょうか?
つまり、学部時代の1年もない研究期間の中で執筆する卒業研究には、そこまでのクオリティは求められません。
つまり、多くの人が1年未満の研究内容を卒業研究として論文を書かなければいけないので、学校側が求めるクオリティってあまり高くないことも事実です。
そのため、研究内容に関して目をつけられ、留年になってしまうということはないといっても過言ではないでしょう。
研究の成果が重要ではないから
学部生が卒論に関して留年しにくい理由、2点目は「研究の成果が重要ではないから」になります。
「成果を求めて研究をしなさい」「成果と結果が全てだ」なんておっしゃる教授もいるかとは思います。
しかしながら、学部での研究は成果のみで評価されるわけではないんです。

「成果だけで評価されていたら、私も卒業できないい1%に入っていたかも」なんて考えると恐ろしいものですね笑
「じゃあ何が大事なんだ!」というところですが、研究のストーリー性です。
具体的には、以下に示す「卒業論文を書く上での四種の神器」が使えているかといったところです。
- 研究背景
- 研究・実験方法
- 研究・実験結果
- 考察
この四種の神器は1番から順に使わなければいけませんが、4番までが完璧に使いこなせれば、卒業は簡単でしょう。
具体的な使い方を説明していきますね。
- その一1.研究背景
必ず最初には、研究背景を書くことになるでしょう。ここでは、「今どんな課題があるのか」「現状ではどんな解決手段があるのか(先行研究)」をわかりやすく書いていきます。
- その二2.研究・実験方法
その一であげた研究背景に従って、どんな実験を行うのか、またその研究や実験を行うのに必要な器具はなんなのか、について書いていきます。
一見重要ではなさそうに思えますが、「何も知らない人が再現できるかどうか」というところに視点をおいて、わかりやすく書くことがコツです!
- その三3.研究・実験結果
方法ときたら次は「実際にやってみた結果」を書く出番です。
ここには、図や表を積極的に使用して、一目見た時にどんな結果が出たのかを書いていきます。
図の中でxy軸があるときはそれが何についての軸なのか忘れずに書くことも覚えておきましょう!
- その四4.考察
最後に書くのは、「実験の結果を見て何が考えられるか」を書いていきます。
「実験をして面白かった」と書きたい気持ちが山々なのはわかりますが、どんなことが考えられるのか、今後どうしていけそうなのかについて詳しく書きましょう。
文末は「〜と考えられる」で統一することをお忘れなく!
卒論を書く上で大事なのは、「なぜそのテーマについて研究を行い、どんな結果が出たのか、そこから何が考えられるのか」を明確にすることとも言えるでしょう。
卒論で留年する原因
卒論で留年することがないと聞いて安心しきっているそこのあなた!
冒頭にも簡単に紹介しましたが、全体の1%程度の人は卒業論文がきっかけで卒業できない可能性があります。
ただ、そんな人たちを一人でも救いたい。。。!
ということで、残念ながら留年してしまう人にはどんな原因があるのか考えていきます。
人の論文の剽窃
課題をやる時も論文を書くときも、最もやってはいけないこと。
それが剽窃です。(ひょうせつと読みます)
他人の文章を真似すること
簡単にいってしまえば、他人の課題もしくは論文のコピペです。
最近では、剽窃を確認するためのソフトもあるらしいので、もし他人と同じことが書きたいのであれば、コピペするのではなく、自分の言葉にして書くようにしましょう。
提出期限に間に合わない
論文も課題等と同じく、「提出期限」があります。
もし期限内に出すことができなければ、留年してしまう1%にあなたが入ってしまうかも。。。
「もしかしたら、忙しくて提出期限内に出せないかも」
と不安になっている人もいることでしょう。
「安心してください、早くから着手すればいいんです。」
この記事の下の方に、留年しないための対策方法について書きますが、卒論を書くうえで、「研究テーマ」は早い段階で決まるはずです。
テーマさえ決まってしまえば、研究背景や実験器具、実験方法などを前もって書いておくことができるので、不安要素がある時は今のうちから(早いうちから)着手しましょう!
卒論発表でやらかす
ほとんど聞いたことはありませんが、まれに「卒論発表でやらかしてしまう」という人がいるようです。

私の周りに「発表でやらかして卒業できなかった」という人は今のところいません。
大学の学部生では、研究内容での評価によって卒業の有無は左右されない、とお話ししました。
大学1年生〜4年生のことを「学部生」、大学院生からは「院生」と呼びます。
ですので、例えば、卒論発表で暴れてしまったり、もしくは参加しなかったりすることがなければ心配する必要はないでしょう。
留年しないためには
「留年なんかしたくない!」
「いつも課題ギリギリだったから、自分なんかに卒論を乗り越えられるか不安。。。」
そんなことを考えながら、卒業間際になって焦りながら作業をするのは嫌ですよね。
ここでは、実際に余裕を持って卒論を仕上げ、留年することなく卒業を迎えた私が、留年を避けるためのレクチャーをしていきます!
早くから始める
卒論が不安な方。
「早く始めてください。」
そんなことわかってるわ!と思わず突っ込みたくなってしまうかもしれませんが、これが大事なんです。

私の研究室では、提出期限3日前になっても完成していない人がいましたが、どうやら期限ギリギリまで徹夜で仕上げたそうです。
仮に、「今まで授業の課題も前日までやってなかったし、大丈夫っしょ」と思っている方も多いかと思いますが、お勧めはできません。
研究内容について、所属研究室の教授によるチェックなどがあったり、提出目前で修正点が見つかったりと、意外と忙しくなるので前もって書き始めましょう。
教授とこまめに話し合う
研究室によってもまちまちですが、ゼミ発表等が定期的にある人も多いかなと思います。
私の研究室では、1学期に一人2回の進捗発表(ゼミ発表)がありますが、正直教授は前回発表した内容など覚えていません。

私の研究室では、教授が外国の方というのこともあり(発表は日本語です)、伝わっているのかすらわからない時があります。
なので、少なくとも2週間に一回程度は教授の部屋に出向き、今やっていることとと今後やろうとしていることが先生の考えとあっているか確かめる機会を作りましょう。
先輩の論文を読む
自分の研究テーマが決まった皆さんは、先輩が書いた論文を読んだことはありますか?
テーマが急に決まった上に、過去にどんなことをやっていたのか知ることは大事なことだと思います。
また、卒論を書く際の冒頭に「研究背景」を書くことは必須ですが、先行研究もその中に書くことができます。
現代はペーパーレス化が進んでいるので、google driveのようなクラウド上で過去の卒論が保存されていることも多いと思いますので、少なくとも過去2年分の論文には目を通しておきましょう。

実験器具などは同じものを使うことが多いので、過去の論文は意外と便利!
100点の論文を書こうと思わない
課題が半分くらい終わった時に「やっぱり最初の描き始めがなんか違うな、やり直そう」と何度も何度も書き直すものの、気がつけば2時間経っていた!
そんな経験をお持ちの方いるのではないでしょうか。

私もブログの記事を書いていると、そのうちに「なんか違うな」となって書き直しまくっています。
これは「100点を目指しすぎ」です。
以前、アルバイトをしていた時、社員の方から「100点を目指して課題を進め、提出がギリギリになるより、80点を目指して課題を進め、前もって提出する方が評価が高い」と。
これは、80点のものを期日に余裕を持って提出することで、提出先からのフィードバックが受けられるというものなんです。
そのため、卒論で言えば、提出先である教授に前もって提出し、訂正箇所があればフィードバックをもらうことで、より良い卒論になっていきます!
人を頼る
「受験は団体戦」と高校時代によく聞きましたが、卒論も同じだと考えられます。
もちろん戦う相手は卒業論文ですが、執筆する上で、どんどん人を頼っていきましょう。
「実験器具の使い方が実はいまいちわかってない」
「使った機材の名前がわからない」
「先輩のコーディングしたプログラム内容が理解しきれない」
なんでもいいんです。とにかく聞くこと。
わからないことを素直に聞ける場所が研究室であり、関連することの知見をもっている人は必ずいます。
やることがあって手が離せないという状況で開ければ、大体の人が快く教えてくれるので、どんどん聞き、人を頼りましょう。

もちろん「君の論文移したいから貸して!」は無しですよ?笑
最後に
これから、卒業論文という大敵に挑む準備はできましたでしょうか?
「卒業論文」なんて言葉を聞くと、めっちゃ強そうに聞こえますが、やってみると想像してたより簡単に倒せるなんてことも多々あります。
気張らず、かといって気を抜きすぎず、取り組んでみてください!